産業用ガス大手の大陽日酸は2019年3月12日、同社の川崎水江事業所(神奈川県川崎市川崎区)に、太陽光発電の電力で水素を充填し、燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)に充填するシステムを建設すると発表した。環境省の2018年度「二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金(再エネ水素を利用した社会インフラの低炭素化促進事業『地域再エネ水素ステーション導入事業』)」を受けて建設・設置するもので、2019年12月に完成の予定。
図 大陽日酸が川崎水江事業所に建設する水素生成充填システムの概要
出所 大陽日酸
川崎水江事業所内の社屋の屋上に合計出力60kWの太陽光発電システムを設置し、太陽光で発電する電力を利用して水電解装置を作動させて、水素を生成する。生成した水素は圧縮保管し、必要なときにFCフォークリフトに充填する。水電解装置は1時間当たり6Nm3の水素を生成する能力があり、圧縮機も同量の水素を圧縮できる。連続で5台までのFCフォークリフトに水素を充填できる。
燃料電池フォークリフトは豊田自動織機の製品を試用する。トヨタエルアンドエフ神奈川が環境省の「水素社会実現に向けた産業車両等における燃料電池化促進事業」と、神奈川県からの助成を受けて用意したFCフォークリフトをリース契約して、事業所内で運用するという。
大陽日酸は、今回建設するシステムを、地域社会への水素の普及拡大や、社会への水素の普及に向けて活用していくとしている。
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大陽日酸