株式会社KDDI研究所(以下:KDDI研究所、埼玉県ふじみ野市大原、所長:中島 康之)は、マーカー不要注1のAR(Augmented Reality、拡張現実)画像をリアルタイムの映像に重ねて表示できる遠隔作業支援システムを開発し、12月1日(月)から、スマートフォンを使った生中継ができるシステム「VistaFinder Mx注2」のオプション機能として発売を開始する。
同システムは、当社開発の高速・軽量でマーカー不要なARエンジンを搭載している。これにより、作業中にカメラを動かしても、AR指示画像が追従し、ピタリと重なるため、遠隔作業指示における認識のズレを軽減でき、作業ミスを削減することが可能。リアルタイムの映像にAR画像を重ねて表示する遠隔作業支援システムの商用化は世界初注3となる。 高速・軽量化の実現により、従来必要であったAR専用サーバーが不要となったため、スマートフォン・タブレット本体とソフトウェアだけで、特別なシステム構築費用なしに使用が可能。
※注1マーカー不要:マーカーとは「ARマーカー」を意味する。「ARマーカー」とは画像認識型AR(Augmented Reality:拡張現実)システムにおいて、付加情報を表示する位置を指定するための標識となる、決まったパターンの画像のこと。「画像認識型AR」では「マーカー不要」を「マーカーレスAR」とも呼ばれる。
※注2VistaFinderMx:http://www.kddilabs.jp/products/audio/vistafinder/product.html
※注3世界初:KDDI研究所発表
●技術的特長
①マーカー不要
端末がその場で認識対象を学習することにより、遠隔地から送られた指示を目の前の現場映像とリアルタイムで重ねカメラの動きに追従することが可能。直感的な指示を実現、指示内容の聞き間違いや思い違いなどのミスを軽減。
②対象物の検出と追跡
認識対象の何通りもの見え方から学習した特徴量の最適配分により、高精度に任意の方向からの認識が可能。さまざまな位置・方向からでも、リアルタイム撮影した動画にぴったりとAR指示の重畳が可能。
③リアルタイム処理でAR専用サーバー不要
高速な特徴量検出と頑健な追跡のハイブリッド構成により、高速、軽量な処理を実現。通常必要となるAR専用サーバーが不要で、スマートフォン・タブレットのみで高度なAR処理が可能。