欧米諸国との需要家における停電実績の比較
平成22(2010)〜27(2015)年の期間における、日本や欧州、米国における主要な州(ニューヨーク州、カリフォルニア州、ペンシルベニア州)の需要家の停電時間の比較を図13に、停電回数の比較を図14に示す。
図13 欧米諸国と日本における需要家の停電時間〔平成22(2010)〜27(2015)年〕
※日本は4月1日から翌年3月31日まで、欧米各国は1月1日から当年12月31日までのデータを集計。
出所 https://www.occto.or.jp/koiki/koukai/files/H28_shitsu_1701r.pdf
図14 欧米諸国と日本における需要家の停電回数〔平成22(2010)〜27(2015)年〕
※日本は4月1日から翌年3月31日まで、欧米各国は1月1日から当年12月31日までのデータを集計。
出所 https://www.occto.or.jp/koiki/koukai/files/H28_shitsu_1701r.pdf
欧州各国のデータはCEER(欧州エネルギー規制機関協会注7)の公表資料注8から、米国主要州のデータは各州の公益事業委員会(PUC:Public Utilities Commission)の公表資料を参考にして作成された注9。
各国のデータの集計方法や前提条件などが異なるところもあるが、図13、図14に見られるように、東日本大震災が発生した平成22(2010)年度(2011年3月)を除いて、日本における需要家の停電時間や停電回数の実績は、欧米諸国と比較して低い水準にあることがわかる。
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以上のOCCTOの分析結果から、東日本大震災以降において、日本の‘電気の質’は世界トップクラスの水準へ回復していることが判明した。
この数値は、2016年4月1日から開始された電力小売完全自由化以降に、多くの新電力事業者が参入した環境下において、今後、日本の電気の質がどのように維持されていくべきか、その指標の1つになるだけに注目される。引き続きOCCTOによる継続的な調査に期待したい。
▼ 注7
CEER: Council of European Energy Regulators
▼ 注8、注9
『電気の質に関する報告書』の24ページの脚注15、16を参照のこと。
https://www.occto.or.jp/koiki/koukai/files/H28_shitsu_1701r.pdf