再エネ電力取引システム「Energo」の利用イメージ

— 次世代型の電力生産・消費エコシステムを目指す —

再エネ電力取引システム「Energo」の利用イメージ

〔1〕エネルギー(電気)を資産としてデジタル化

 Energoシステムは、ブロックチェーンとスマートメーターを組み合わせ、マイクログリッドがクリーンなエネルギー(再エネ由来の電気)需要に対応するために必要となる蓄電池をデジタル化していることが特長である。具体的には、図2のようなイメージとなる。

図2 Energoネットワークシステムの利用イメージ(1)

図2 Energoネットワークシステムの利用イメージ(1)

出所 Energo Labs、Tokyo Blockchain Meetup資料をもとに編集部作成

図3 Energoネットワークシステムの利用イメージ(2)

図3 Energoネットワークシステムの利用イメージ(2)

出所 Energo Labs、Tokyo Blockchain Meetup資料をもとに編集部作成

 住宅に設置された太陽光パネルやEVなどの電気の生産量は、共有の蓄電池に貯蓄され消費される。これらは数値化され、ブロックチェーンを利用したプラットフォームを介してスマートメーターに記録され、管理される。Energo Labsはウォレット、スマートコントラクト注5、EnergoアプリとWebサイトなど、P2P取引に必要な要素を独自に開発している。図3は、具体的な取引のイメージである。

〔2〕Energoアプリを使った電力取引の記録・管理

 ブロックチェーン技術の応用により、不変で偽りがないデータの保存が可能となる。

 電力取引はEnergo Labs のアプリで行い、アプリでは買い注文と売り注文が価格マッチングを用いて設定でき、ユーザー(消費者)は外部からオーダーブック(注文表)の操作をして、取引を開始する。開始された取引は、電力取引プラットフォームを介して共有の蓄電池に取引の通知がなされ、買い手に電力の供給がされる。ユーザーは、現地の電力会社からの電力購入価格より安く設定することができる。

 図4と図5に、Energoアプリの例を示す。

図4 Energoアプリを利用した取引例(スマートメーター操作画面)

図4 Energoアプリを利用した取引例(スマートメーター操作画面)
出所 Energo Labs提供資料より

左側に表示されているWATT(トークン)は、ブロックチェーン上で電力量を計算するための単位。示されているWATT保有電力数は2018.23WATTで、2018.23kWhの電力を保有していることを示す。
右側のTSL(トークン)は電力を蓄電池に貯めておくために必要な仮想通貨。ここでのTSLは617.9で、88日間蓄電池に保有できる量のTSLを示している。
各トークンの保有数の下には、電力の「生成量」「消費量」「購入量」「販売量」が示されている。

図5 マニラプロジェクト専用に開発されたアプリのメインページ

図5 マニラプロジェクト専用に開発されたアプリのメインページ
出所 Energo Labs提供資料より

ユーザーの電力使用量などをはじめ、さまざまな機能にアクセスできる。
Energoは現地マーケットのニーズやルールに対応したアプリをプロジェクトごとに公開し、現地のユーザーがより使いやすいソリューションを提供する。マニラでは電力をオークション形式で価格設定するので“Rank”という言葉がある。

 同システムでは独自の仮想通貨“TSL”(Tesla)を利用しており、TSLを使って蓄電池への電力貯蓄や、また貯蔵された電力の取引などを行うことができる。

 同社のQtumのブロックチェーンプラットフォームを使用したシステムでは、次のような電力取引について記録、管理する。

  1. スマートメーターによる電力取引記録:電力貯蓄や電力フロー(太陽光パネルと蓄電池の移動など)
  2. ユーザーによる仮想通貨の入出金
  3. ユーザー間による電力売買に伴う仮想通貨の送付
  4. ユーザー間による電力の送付

 また、さまざまな取引は、Qtumのスマートコントラクトを使用して対応している。


▼ 注5
スマートコントラクト:機械同士の取引を可能とする契約。デジタル化された取引をプログラム化してブロックチェーン上で記載し、執行条件が満たされたら自動的に契約が執行される。

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