国内初の風力発電からデータセンターへ直接給電、豊田通商が事業開始

北海道稚内市で「宗谷グリーンデータセンターI」を2027年稼働

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年1月16日 (金曜) 9:34

生グリーン電力を活用する「宗谷グリーンデータセンターI」を建設

 豊田通商株式会社(以下、豊田通商)とグループ会社の株式会社ユーラスエナジーホールディングス(以下、ユーラスエナジー)は、風力発電由来の再生可能エネルギー(以下、再エネ)を活用する「宗谷グリーンデータセンターI(仮称)」を北海道稚内市に建設する(図1)。風力発電所から自営線を通じて直接電力(生グリーン電力注1)をデータセンターに供給する。日本初の取り組みだという。これにより、送電網の負荷軽減、再エネの地産地消、データセンターの地方分散につなげるとしている。2026年1月14日に発表した。

図1 北海道稚内市に建設する「宗谷グリーンデータセンターI(仮称)」のイメージ

再エネ100%の電力を安定的に供給する仕組みを構築

 宗谷グリーンデータセンターIは、ユーラスエナジーグループが同市で運営する樺岡ウインドファーム(以下、樺岡WF)に隣接する9,900㎡の敷地に、受電容量3MW規模のデータセンターを整備し、構築する。電力は、樺岡WFから生グリーン電力を調達する。樺岡WFからの供給電力が不足する場合に備え、再エネ由来の電力を追加で調達する仕組みを用意し、再エネ100%の電力を安定的に供給できるようにするという。

 豊田通商は、顧客にデータセンターサービスを提供し、サーバーやネットワーク機器を収容できる環境を提供する。ユーラスエナジーは、土地と建屋の整備と生グリーン電力の供給を担当する。

 2026年4月に着工し、2027年中の本格稼働を計画している。中長期的には、2030年頃を目途に10MW~20MW規模の次期データセンター事業を検討するとともに、それ以降に大規模なデータセンター集積エリア開発を検討する。

 豊田通商によると、世界的に、AI技術の急速な発展に伴いデータセンターの電力需要が拡大しており、その中で、温室効果ガス(GHG)を排出しない再エネの活用が期待されている。また、日本では、データセンターが都市部に集中し、電力負荷の偏在や、災害発生時の事業継続性(BCP)で課題がある。

 一方、豊田通商グループは、宗谷地域で現在10件の風力発電所を運営し、総連系容量は525.5MWになる。宗谷地域は風況に恵まれた国内有数の風力発電適地であるが、地域内の電力需要の不足や送電網の容量不足により、新たな風力発電所の建設が難しかった。こうしたことを背景に、宗谷地域でのデータセンター事業の開始を決定した。


注1:生グリーン電力:一般送配電事業者の系統を介した供給や非化石証書等を組み合わせた電力ではなく、風力発電所から自営線で直接送られるグリーン電力のこと。

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