新勧告案と勧告改訂案はそれぞれ7件ずつ
SG6ブロック会合の主目的といえば、放送サービスに関する勧告案の策定およびそのメンテナンスである。今回のSG6ブロック会合において策定、あるいは仮採択された新勧告案および勧告改訂案を、表2と表3に紹介する。
そのほかには、勧告削除案4件、新研究課題案1件、研究課題改訂案2件、新レポート案2件、レポート改訂案1件が、今回の会合で承認されている。
今後のスケジュール
次回のSG6ブロック会合は、2007年4月下旬〜5月上旬にジュネーブにおいて開催が予定されている。2007年はCPM-07、WRC-07が控えているため、SG6ブロック会合は、この1回のみの開催となる。そのため、今回継続審議となった課題については、極力次回会合で解決が図られることが望まれる。
一方、ITU-R内での予算削減の観点から、会合の日数が削減される可能性が高く、短い期間で多数の作業を行う必要性に迫られることになりそうである。
用語解説
ISDB-T:Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial
日本の地上デジタル放送方式。上述の勧告案では、そのうち1セグメントを使用した「ワンセグ」を指す。
ISDB-Tsb:Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial sound broadcasting
日本の地上デジタル音声放送方式
ITU-R勧告BS.1547 System E
日本の衛星デジタル音声放送方式、いわゆる「モバHo!」
DVB-H:Digital Video Broadcasting for Handheld
主に欧州のハンドヘルド端末向けマルチメディア放送方式
T-DMB:Digital Multimedia Broadcasting for Terrestrial
韓国の携帯端末向け地上デジタル放送方式
FLO:Forward Link Only
米国Qualcomm社開発の携帯端末向け放送サービス、いわゆる「MediaFLO」
DVB-S2:Digital Video Broadcasting for Satellite 2nd Generation
欧州の第2世代衛星デジタル放送方式。H.264や、高能率デジタル変調方式が採用されている
GSO BSS:Geo Stationary Orbit Broadcasting Satellite Service
静止衛星による放送衛星業務
H.264/AVC
ITU-TとMPEGとの合同ビデオチーム(JVT:Joint Video Team)で策定された高能率映像符号化方式(AVC:Advanced Video Coding)
IBOC:In-Band On-Channel、米国のデジタル音声放送方式
ATSC:Advanced Television System Committee
米国次世代テレビジョンシステム委員会
ACAP:Advanced Common Application Platform
米国ATSC規定のアプリケーション実行エンジン
GEM:Globally Executable MHP
汎用的なアプリケーション実行エンジン。DVB規格の一部
TIA:Telecommunication Industries Association、米国電子通信工業会