BMW GroupとDaimlerは2019年2月22日(中央ヨーロッパ時間)、両社が持つ乗り合いやカーシェアリング、電気自動車(EV)の充電などのサービスを統合し、合弁で5種類のサービスを提供すると発表した。また、この合弁事業に共同で合計10億ユーロ(1250億円:1ユーロ=125円で換算)を投資することも明らかにした。
図 発表会で握手するBMW Group CEOのHarald Krüger氏(左)と、Daimler 取締役会会長のDieter Zetsche博士(右)
出所 BMW Group
合弁で提供するサービスは、複数の交通機関を乗り継いで利用者を目的地まで案内する「REACH NOW」、EVの充電サービス「CHARGE NOW」、タクシー乗り合いサービス「FREE NOW」、駐車場検索と予約のサービス「PARK NOW」、カーシェアリングの「SHARE NOW」の5種類。すでに同じ名称で提供を始めているサービスもあれば、両社が保有するサービスを統合して、新しい名称で提供を始めるサービスもある。ちなみに、両社が保有するサービスの利用者は2019年2月時点でおよそ6000万人だという。
図 BMW GroupとDaimlerが合弁で提供する5種類のサービスのロゴマーク
出所 BMW Group
5種類のサービスを見ると、EVや、インターネットにつながるコネクテッドカーなど、今後普及が始まる車両に向けたサービスが並んでいる。サービス提供が本格化する前に市場で優位に立ち、同様のサービスを提供するライバルに対抗するために、大手2社の合弁に至った。
BMW Group CEOのHarald Krüger氏は「私たちは今後、5種類のサービスをより緊密に連携させ、単一のサービスとして提供する構想を持っている。自動運転機能を持つEVを導入し、充電も駐車も自動的に済ませるようになるだろう。そして、利用者を旅客機や鉄道などほかの交通手段にスムーズに導くサービスを提供できると考えている」と合弁事業の将来について語った。
また、Daimler 取締役会会長のDieter Zetsche博士は「ほかの業者と協業する可能性もある。スタートアップや、すでに事業を確立させた他業者への出資も考えられるだろう」と、合弁事業の規模拡大の可能性について語った。