Looopは2016年11月10日、太陽光発電所による電力を買い取るサービス「Looop FIT」の提供を始めた。沖縄電力のサービスエリアを除く全国で提供する。政府の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)は20年間の買い取りを保証しているが、このサービスではさらに長い30年間の買い取りを保証する。
サービスを利用するには、同社が販売している産業用太陽光発電システムキット「MY発電所キット」を新規導入する必要がある。MY発電所キットには出力が12kW程度になる中規模のものから、メガソーラークラスの大規模なものまで多様なものが揃っている。さらに、同社が提供する太陽光発電所の保守管理サービス「まもるーぷ」を最低でも3年間利用しなければならない。ただし、同社と売電契約を結べば、まもるーぷの初年度の利用料金をサービスするとしている。
図 Looopが販売する「MY発電所キット」の構成例
出所 Looop
買取価格は発電開始から20年間は政府のFITが定める固定価格となる。2016年に発電を始める施設なら1kWh当たり24円+税となる。21年目からはLooopが定める価格で買い取る。この価格ははっきりとは決まっていないが、最低でも1kWh当たり7円での買い取りを保証するとしている。
図 買い取り価格のイメージ。発電開始から20年間はFITが定める価格で買い取り、21年目からはLooopが定める価格での買い取りとなる
出所 Looop
Looopがこのサービスを始める背景には、同社が展開している電力小売りサービス「Looopでんき」がある。Looopでんきでは、可能な限り再生可能エネルギー由来の電力を供給することを目指して、全国の太陽光発電所や水力発電所などから電力を買い集めている。
しかし2016年11月現在、Looopでんきで販売している電力のうち74%が市場から買い入れたものとなっている。市場からの電力は、再生可能エネルギー由来のものとは限らないため、Looopはこの比率を下げていくとしている。そのための取り組みの一つが、今回始まったLooop FITというわけだ。政府のFITが定める価格で20年間売電しても、利益が得られるかはっきりしないという人には、Looopが今回提供する30年の買い取りサービスは検討に値するものと言えるだろう。
■リンク
Looop