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IHI、石炭焚火力発電所でバイオマス混焼率25%(熱量比率)を実証

2015/12/02
(水)
SmartGridニューズレター編集部

2015年12月2日、株式会社IHI(以下:IHI、東京都江東区、代表取締役社長:斎藤 保)は、環境省からの委託事業「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」として2013~2015年度の予定で行っている「バイオマス高比率混焼による石炭焚火力CO2排出原単位半減に向けた先進的システムの実証」において、新日鐵住金株式会社(以下:新日鐵住金、東京都千代田区、代表取締役社長:進藤 孝生) 釜石製鐵所内エネルギー工場(所在地:岩手県釜石市,出力:149MW)で、純国産木質ペレット燃料を用いて、熱量比率25%・重量比33%のバイオマス混焼による安定運転を2015年11月に達成したことを発表した。
 参考写真 左:バイオマス混焼実証機、右:燃焼試験設備(IHI相生工場内) 

燃料の供給安定性や優れた経済性、長年の運用実績による高い信頼性により、石炭火力発電は今後も国内の重要なベースロード電源としての役割を期待されている。この石炭の代替燃料としてカーボンニュートラル※1であるバイオマス※2を活用して環境負荷低減の実現を目指すさまざまな取組みが国内外で注目されている。

IHIではこれまで、相生事業所内の自社試験設備においてバイオマス単独粉砕試験、燃焼試験等、バイオマス高比率混焼に関する研究開発を進めてきた。同実証試験ではIHIのこれらの取組みに加え、独自にバイオマス混焼に取り組んでいる新日鐵住金 釜石製鐵所の積極的な協力と支援、国内木材関係者などのバイオマス供給に関する協力により、国内最大級のバイオマス発電出力(36MW)が高効率で達成された。
実証された燃焼方式は、既存の発電設備に小規模な改造を加えることで、現状数%程度に留まっているバイオマス混焼率を格段に引き上げることが可能となり、混焼比率を50%以上としてCO2排出原単位半減することも技術的に可能とする。
今後、国内で稼働している多くの石炭火力発電所に適用されることが期待される。


※1 カーボンニュートラル:ある生産や活動を行う際に排出されるCO2の量と吸収されるCO2の量が同じ量である状態のこと。

※2 バイオマス:再生可能な,生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの。

■リンク
IHI
新日鐵住金

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