[北海道全域295万戸がブラックアウト! 火力発電所停止までの18分間を解明]

北海道全域295万戸がブラックアウト! 火力発電所停止までの18分間を解明(その3)

— どのように再発防止していくか、OCCTO検証委員会が最終報告 —
2019/02/01
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

OCCTO検証委員会(注1)は、2018年12月19日、ブラックアウト(大規模停電)再発防止に向けて、大規模なシミュレーションの実施内容を含む最終報告書を公開した。
本誌2018年10月号では、「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」(マグニチュード6.7)による、北海道電力管内の全域295万戸がブラックアウトするまでの「18分間の状況」を中心に解明し、同12月号では、ブラックアウト後の約45時間で一般家庭への電力供給量を確保するまでの状況や、ブラックアウトの再発防止に向けた今後の対策についてレポートした。
ここでは、OCCTO検証委員会の最終報告書をもとに、最も過酷な条件下(最過酷断面)における、ブラックアウト防止のシミュレーション結果をレポートし、最後に、経済産業省内に発足した電力レジリエンスWG(災害に強い電力供給体制WG。2018年10月設立)などを含めた今後の展開を見ていく。

日本の電力会社全体にとって重要な教訓

〔1〕3つの報告書が発表される

 北海道電力管内の全域295万戸が大規模地震によってブラックアウトしたことは、日本の電力史上で初めての事態であり、国際的にもめずらしい事象であった。

 このため、今回のブラックアウトは北海道電力のみならず、今後、日本の電力会社全体にとって重要な問題と受け止められており、その教訓から学ぶところが多い。そのため、表1に示す通り、

(1)経済産業省から、「電力レジリエンスワーキンググループ中間取りまとめ」

(2)北海道電力から「北海道胆振東部地震対応検証委員会 最終報告について」

(3)OCCTOから「平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会最終報告」

という、3つの報告書がたて続けに発表された。

表1 「平成30年北海道胆振東部地震」関連の3つのレポート(中間取りまとめ/報告書)

表1 「平成30年北海道胆振東部地震」関連の3つのレポート(中間取りまとめ/報告書)

OCCTO:Organization for Cross-regional Coordination of Transmission Operators、電力広域的運営推進機関
出所 表中の各サイトより編集部で作成

〔2〕OCCTO検証委員会の役割

 OCCTO検証委員会では、今回のブラックアウトについて中立的な立場から解明することを任務に、表2に示す3つの諮問事項を受け、審議・解明が行われた。

表2 OCCTOの「平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会」への諮問事項および開催内容

表2 OCCTOの「平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会」への諮問事項および開催内容

出所 http://www.occto.or.jp/iinkai/hokkaido_kensho/files/181219_hokkaido_saishu_gaiyou.pdfをもとに編集部で作成

 同委員会では、4回におよぶ審議を重ね、中長期対策の検討やシミュレーションを実施し、具体的な防止策をまとめた最終報告書を公表した。

 なお、表3に、本記事中に登場するキーワードを簡単に解説しているので参考にしていただきたい。

表3 本誌に登場する大規模停電検証に関連するキーワード

表3 本誌に登場する大規模停電検証に関連するキーワード

出所 各種資料をもとに編集部で作成


▼ 注1
OCCTO検証委員会:正式名「平成30 年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会」。OCCTO:Organization for Cross-regional Coordination of Transmission Operators、電力広域的運営推進機関(2015年4月1日設立)

ページ

関連記事
新刊情報
5Gの技術からビジネスまですべてがわかる 5Gは社会や産業に何をもたらすのか? といったビジネス関連のトピックから、その変革はどのようなテクノロジーに支えられているのか?といった技術的な内容まで、わ...
本書は、特に産業用の5G/IoTの利用について焦点を当て、MWC19 Barcelona での産業用IoTに関する最新動向や、国内外の最新動向の取材をもとに、5Gの市場動向やビジネスモデルをまとめた解...
5Gの技術・市場トレンド、ビジネスモデルをまとめた一冊! いよいよ5G時代の到来です。米国ベライゾン、韓国SK Telecom、LGU+、KTの3社、さらに米国AT&Tはすでに5G商用サ...