〔3〕40Gbps/100Gbpsイーサネットの層構成(アーキテクチャ)と層間インタフェース
40Gbps/100Gbpsイーサネットの層構成が、図2に示すように採択された。
〔「40/100G Architecture and Interfaces proposal」p4より引用〕(クリックで拡大)
![](/sites/default/files/images/080616/8023_10_zu02_s.jpg)
※「40/100G Architecture and Interfaces proposal」:
http://www.ieee802.org/3/ba/public/may08/ganga_01_0508.pdf#page=4
CGMII:100G Medium Independent Interface、媒体非依存インタフェース(Cはローマ数字で100を意味する)
XLGMII:40G Medium Independent Interface、媒体非依存インタフェース(XLはローマ数字で40を意味する)
PCS:Physical Coding Sublayer、物理符号化副層
FEC:Forward Error Correction、前方誤り訂正
PMA:Physical Medium Attachment、物理媒体接続
PMD:Physical Medium Dependent、物理媒体依存
AN:Auto Negotiation、自動ネゴシエーション
MDI:Medium Dependent Interface、媒体依存インタフェース
基本的な層構成は、10Gbpsイーサネットを踏襲している。MACと物理層(PHY)の間の論理的なインタフェースとして40Gbps、100GbpsそれぞれにXLGMII、CGMIIが新しく規定された。また、PMD(物理媒体依存)と上位層を接続するための電子インタフェースとして40Gbps、100GbpsそれぞれにXLAUI(40G Attachment Unit Interface、「ずらうい」または「えっくす・らうい」と呼ばれる)、CAUI(100G Attachment Unit Interface、「かうい」または「きゃうい」と呼ばれる)を規定することが決議された。
XLGMII、CGMIIが、MAC層と物理層を接続するための「論理的な」インタフェースであるのに対して、XLAUI、CAUIは、異なるLSIや光モジュール間を接続するための「電子的な」インタフェースである。XALUI、CAUIは10GbpsイーサネットのXAUI(10G AUI)に相当するものである。
〔4〕符号化方式
40Gbps、100Gbpsイーサネットの符号化方式として、並列伝送に適した「MLD(Multi Lane Distribution)」と呼ばれる方式が採択された。
MLD方式では、ベースとなる符号化方式として、10Gbpsイーサネットで規定された64b66b符号化方式を使用する。64b66b符号化方式とは、伝送するデータを64ビット(8バイト)単位で符号化して66ビットの伝送符号に変換する方式である。MLDでは、伝送するビット列を66ビット符号ごとに20レーン(100Gbpsイーサネットの場合)、4レーン(40Gbpsイーサネットの場合)の「仮想レーン(Virtual Lane)」に分割し、それぞれ20レーン、4レーンの並列ビット列として伝送する。
実際の伝送媒体における並列伝送のレーン(チャネル:伝送路)数は、100Gbpsイーサネットの場合で、10レーンであったり、4レーンであったりのようにまちまちであるが、そのような際には、複数の仮想レーンのビット列をビット多重することで、物理的な伝送レーン数に合わせて伝送ビット列数を縮退することが可能である。
MLDの仮想レーン数は、100Gbpsイーサネットの場合で20仮想レーンとなっており、実際の伝送物理レーン数としては20の公約数である20レーン、10レーン、5レーン、4レーン、2レーン、1レーンでの伝送が可能であり、伝送レーン数の選択の自由度が非常に高い。
図3に、MLD方式による仮想レーン・ビット多重の例を示す。
〔「100GE and 40GE PCS (MLD) Proposal」p9より引用(クリックで拡大)
![](/sites/default/files/images/080616/8023_10_zu03_s.jpg)
※「100GE and 40GE PCS (MLD) Proposal」:
http://www.ieee802.org/3/ba/public/may08/gustlin_01_0508.pdf#page=9