TEPCO IEC、次世代監視制御システム(SCADA)の海外輸出を本格化
― オランダのコンピュマティカ社とセキュリティでの協業を発表 ―2019年6月12日 0:00
2019年6月10日、東京港区のオランダ大使館において、東京電力ホールディングス傘下のTEPCO IEC株式会社(以下、TEPCO IEC)と、オランダのCompumatica Secure Networks(以下、コンピュマティカ社)との協業が正式発表された。TEPCO IECは、今回の協業によって、セキュリティを強化した次世代監視制御システム(SCADA)注1のビジネスを本格的に海外展開する。当日は、両社による協力覚書署名式のほか、両社トップ同席によるセミナーも開催された。
▼注1
SCADA:Supervisory Control And Data Acquisition
TEPCO IECのSCADAにコンピュマティカ社のセキュリティを導入
TEPCO IECは、SCADAを開発している東京電力パワーグリッドが、自社開発のSCADAシステムを海外輸出するために2017年に新設された設計・運用コンサルティング会社。同社が扱うSCADAに、サイバーセキュリティ技術で定評のあるオランダのコンピュマティカ社の技術を導入することによって、セキュアで信頼性に優れた次世代SCADA(図1)として、海外への輸出ビジネスの展開を目論む。
図1 次世代監視制御システム(次世代SCADA)のイメージ
今回の海外展開は、経済産業省が推進するインフラ輸出の一環として位置づけられるもので、同日行われた協力覚書署名式には両社のCEOをはじめ、オランダ外国貿易・開発協力省のシフリット・カーフ(Sigrid Kaag)大臣が同席するなど、関係者の期待の高さをうかがわせた。
写真1 協力覚書署名を終えて握手するコンピュマティカ社 CEO&Ownerのぺトラ・ヴァン・シャイク(Petra van Schayik)氏(前列左)とTEPCO IEC 代表取締役社長(CEO)の大石 峰士(おおいし たかし)氏。後列は、同席したオランダ外国貿易・開発協力省大臣のシフリット・カーフ(Sigrid Kaag)氏(後列右)と駐日オランダ特命全権大使のアルト・ヤコビ(Aart Jacobi)氏(後列左)
撮影 インプレスSmartGridニューズレター編集部
協力覚書署名式後に開催された日蘭サイバーセキュリティセミナーでは、TEPCO IECのCEOやコンピュマティカ社CEOのほか、経済産業省やTEPCO IECと協業しているマカフィー株式会社の担当者が登壇し、電力インフラを取り巻く課題やその解決策に関して講演が行われた。
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