SORACOMを採用した3つのポイント
SORACOMを採用した3つのポイント
分析基盤の通信に「SORACOM」を採用した理由は次の3点である。
第1は、移動体に適したセルラー通信と運用の一元管理だ。
常に動き続ける鉄道車両からのデータ送信において、場所を問わず安定してつながる「SORACOM IoT SIM」によるセルラー通信が最適と判断された。加えて、車両ごとに多数のSIMを運用する鉄道事業者にとっては、ユーザーコンソール(管理画面)やAPI(Application Programming Interface)から回線の状態確認や設定変更を一元管理できる点が要件に合致した。
第2は、IoTデバイスとクラウド(AWS、Azure、GCP)との豊富な連携機能である。
今回のJR九州の分析基盤では、クラウドのFunction(関数)を直接呼び出せる「SORACOM Funk」(図2)を利用している。同サービスは、SORACOMプラットフォーム側でクラウド連携に必要な認証情報を一括で管理・付与するため、デバイスごとの個別設定を最小限に抑えながらAWSなどとのデータ連携をシンプルかつ安全に実現できる。日々の運用や構成の変更・拡張も容易なため、対象車両やデータ項目の拡張性にも富んでいる。
第3は、セキュリティである。
IoTデバイスからSORACOMのコアネットワークまでのセルラー通信区間が閉域網で構成され、SIM自体が認証の役割を果たすため、安心してクラウド活用を進められる。
図2 「SORACOM Funk」の仕組み
AWS、Azure、GCPなどのクラウド連携時に複雑な認証処理を代行し、データの転送・処理を簡素化する
出所 株式会社ソラコム提供資料をもとに一部日本語化して作成
JR九州の今後の展開について、九州旅客鉄道株式会社 課長代理の松原 大知氏は、次のように語る。
「SORACOMとクラウドの組み合わせにより、車両データの本格活用を内製かつ短期間に前進させることができた。デバイスからクラウドへのつなぎ込みを自社で構築・運用できている点は大きな自信になり、知見を蓄積できている。今後は車両オペレーションのみならず、運転業務支援や輸送ダイヤ分析など、データドリブン注4な施策判断をすることで鉄道経営の最適化と顧客満足の最大化を追求したい」
注4:データドリブン:収集・分析したデータに基づいて意思決定を行う方法。
参考サイト
株式会社ソラコム プレスリリース 2026年4月28日、「IoTで車両の稼働データをクラウドに集約し、コンディションベースメンテナンス(CBM)の実現を支援」



