TELECOM会場にみたNGNのダイナミックな展開
TELECOM 2006会場には、すでにNGN(次世代ネットワーク)の商用サービスが開始されているかのような勢いで、NGN関連製品のコンピュータ・ベンダや通信機器ベンダからの活発な展示が行われた。ここでは、そのうちのいくつかを紹介しよう。
IBMはNGNアプリケーションを見据えた出展
本年(2006年7月)からITU-Tで標準化が開始されているNGN対応のIPTVについて、IBMのIPTV/Triple Play担当責任者のMark M.Weiss氏(写真1 左)は、「標準は重要であるが、標準化には時間がかかるところがある。そのため、当面のIPTVに関するビジネスについて、IBMは写真2に示す各分野のパートナーと協業し、エンド・ツー・エンドでIPTVソリューションを展開していく」と語った。
一方、IBMはNGN向けアプリケーション・サーバ(AS)用「IBM BladeCenter H」(シャーシ、写真3)を展示。この製品は、高速な10ギガビット・イーサネット(10GbE)を4ポート備えており、IPTVやVoD、IMS(IPマルチメディア・サブシステム)、セキュリティなどに対応できる高機能な製品である。同シャーシには、キャリア・グレードのLinux、AIX、Sun Solarisなどに対応したブレード・サーバを挿入できるため、柔軟な設計が可能となっており、今後の市場性が期待されている。
エリクソンはIMSで実現する
ユビキタス環境をトータルに展開
エリクソン(写真4)は、NGNの中心的な機能の1つであるIMS(IP Multimedia Subsystem)で可能となった、「(1)テレビ端末、(2)携帯端末、(3)ノート・パソコン」の3つの画面上で、個人用のテレビを楽しめるユビキタス環境を展示(写真5)した。ユーザー端末、アクセス・ネットワーク、コアネットワーク(データの転送レイヤ)、サービス・レイヤの階層構成の上に、エリクソンのエンド・ツー・エンド(e2e)IPTVソリューションを実現し、提供する仕組みをわかりやすく展示した(写真6)。
シスコシステムズ、
NGN向けハイエンド・ルータに注目を集める
シスコシステムズ(写真7)は、富士通と共同開発した、NGNを構築する次世代ハイエンド・ルータ「Fujitsu and Cisco CRS-1」を展示(写真8、出荷:2007年1月予定)。同機は、次世代ハイエンド・ルータ向けOS「Cisco IOS XR」を搭載し、1スロットあたり40Gbpsに対応した4スロット・モデル。
これによって、通信事業者やISPは次世代の高速・大容量・高信頼バックボーン・ネットワーク構築が容易になるという。また、同社は、「At Home」のコーナーで、NGNのキラーアプリケーションの1つといわれるホーム・ネットワーク上で、IPTVのデモなどを展開した(写真9)。