「コンピュマティカ社のような先進企業との協業が市場開拓の力になる」
今回のコンピュマティカ社との協業について、TEPCO IEC 取締役CIO兼CMOの山本純也氏(写真2)は、次のように語っている。
写真2 TEPCO IEC 取締役CIO兼CMOの山本純也氏
撮影 インプレスSmartGridニューズレター編集部
「弊社の親会社である東京電力パワーグリッドでは、SCADA開発にあたって、電力サイドの設計思想をベースにしながらも、開発・設計は各分野で強みをもつベンダとの協業によって進めていくというスタイルをとっています。この方針に基づいて、ネットワーク全体のデザインやクラウド構築は株式会社NTTデータと、それら全体のセキュリティ確保は、コンピュータセキュリティ・ベンダであるマカフィー社と、それぞれ構築しています。今回、コンピュマティカ社の先進的なネットワークセキュリティ技術を加えたことで、我々の電力用SCADAの品質ならびに信頼性が格段に向上し、ヨーロッパにおける商品性も一段と高まりました。」
さらに続けて、同社代表取締役(CEO)の大石峰士氏(写真3)は、「現在、この業界はビッグネームによる寡占化が進んでおり、我々がこのフィールドにチャレンジしていくためには、ゲームチェンジが必要です。そのための大きな力となるのが、コンピュマティカ社のような優れた技術をもつ企業各社との協業だと考えています。すでに同社とのセールスも展開しており、現在、数件の電力関連事業者と商談を行っています。今後は、東欧諸国にも商圏を広げていきたいと考えています」と、締めくくった。
写真3 TEPCO IEC 代表取締役(CEO)の大石峰士氏
撮影 インプレスSmartGridニューズレター編集部
「TEPCO IECとともに、新たな市場を開拓していく」
今回、TEPCO IECと協業するコンピュマティカ社は1991年に設立され、現在、オランダ・ウーデンを本拠に活動している。フィリップス社のセキュリティ部門を吸収するなどしてその業容を急速に確立し、近年はオランダ政府と多くのプロジェクトを展開している。この日のイベントが行われたオランダ王国大使館(東京都港区)のネットワーク通信関連のセキュリティも担っている。
今回のTEPCO IECとの協業にあたり、コンピュマティカ社 事業開発マネージャのノート・ヴァン・シャイック氏(写真4)は次のように語っている。
写真4 コンピュマティカ社 事業開発マネージャのノート・ヴァン・シャイック氏
撮影 インプレスSmartGridニューズレター編集部
「TEPCO IECという、知名度の高い日本の企業グループとの協業が実現でき、大変光栄に思っています。欧州においても、日本製品は高品質で知られており、今回の協業によって当社プロダクトの品質が認められたとも思っています。もともとオランダ企業には、技術力があると同時に柔軟性があり、提供するマーケットのニーズに最適な製品を提供する力があります。電力用SCADAが要求するハイエンドなセキュリティニーズに対しても、当社はベストなプロダクトの提供をお約束します。」
写真5 コンピュマティカ社 CEOのぺトラ・ヴァン・シャイク氏
撮影 インプレスSmartGridニューズレター編集部
さらに、同社CEOのペトラ・ヴァン・シャイック氏(写真5)は、「TEPCO IECとともに東欧の市場開拓も進めることができ、我々にとってはビジネス拡大のチャンスともとらえています。そもそもオランダと日本の貿易は、江戸時代の長崎・出島までさかのぼることができ、今回の協業はこの2国間を象徴する出来事といえるでしょう。この2国間の友好関係のように、我々もTEPCO IECとの友好関係をぜひ長く続けたいと考えています」と、両国の歴史的な絆の深さもアピールした。