スタートした特定計量制度! ガイドラインに見る「対象となる計量例」と「対象とならない計量例」
― コーポレートPPA向け特定計量制度対応PCSも登場 ―2022年8月11日 0:00
2050年カーボンニュートラル&再エネ主力電源時代を迎えて、2022年4月から特定計量制度がスタートした。経済産業省は、この特定計量制度の普及・活用にあたり、内容を具体的に示した「特定計量制度に係るガイドライン」を2022年4月1日に公表した。
特定計量制度とは、改正電気事業法を含む「エネルギー供給強靱化法」(2020年6月成立、2022年4月施行)(注1)に基づいて、国に事前に届出を行うことを前提に、計量法に基づいた「検定を受けない計量器」(特例計量器)の使用を可能とする制度だ。ここでは、まず2022年度からスタートした様々な電力事業に関する新制度を概観しながら、特定計量制度における「対象となる計量例」と「対象とならない計量例」を見ていく。さらに、2022年6月から市場投入された、特定計量対応のコーポレートPPA向け「パワーコンディショナー」(PCS)について紹介する。
最新の「特定計量制度に係るガイドライン」の公表
〔1〕2022年4月1日からスタートした新制度
表1に示すように、2022年4月から、相次いで、FIP制度(FIT制度と併存)、配電事業ライセンス制度、アグリゲーターライセンス制度、特定計量制度などの、エネルギー供給強靱化法に基づいた新制度がスタートし、これらによって、2050年カーボンニュートラル実現に向けた動きが活発化してきた。
本誌では、これらの制度について、すでに紹介してきたが、経済産業省は令和4(2022)年4月1日に、最新の「特定計量制度に係るガイドライン」を公表し、「対象となる計量例」と「対象とならない計量例」などの具体的事例を紹介している。
表1 エネルギー供給強靱化法に基づいて2022年4月1日からスタートした新制度
出所 各種資料をもとに編集部で作成
最新の「特定計量制度に係るガイドライン」から、これらの事例を見ていこう。
〔2〕計量法の検定を受ける「特定計量器」、検定を受けない「特例計量器」
表2に、
- 特定計量制度の創設の背景
- 「特定計量器」と「特例計量器」の違い
- 特定計量制度に係るガイドライン
- 次世代スマートメーター
について整理してまとめた。
表2 特定計量制度と計量法の検定を受ける「特定計量器」、検定を受けない「特例計量器」
出所 各種資料をもとに編集部で作成
特に、2014年度から導入された現行のスマートメーターは、計量法に基づく「特定計量器」であり、導入から10年後の2024年度にはその検定期間が終了し、順次、新たな次世代スマートメーターへの交換が行われていく。
次世代スマートメーターについては、2020年9月に再開した「スマートメーター制度検討会」が2022年5月31日に、最新の「とりまとめ」を行い、その仕様を公表した。
次世代スマートメーターは、特定計量制度の下に、「親メーター(スマートメーター:特定計量器)と子メーター(特例計量器)」の関係をさら発展させ、新しい再エネ時代の電力システムを構築していくことが期待できる。
▼ 注1
エネルギー供給強靭化法:正式名は「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」。主な改正のポイントは以下参照。
https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200225001/20200225001-5.pdf