[特別レポート]

NTTのNGNを体験できるショールーム「NOTE」リニューアル・オープン

NGNサービスを直接体験できる約20の展示物
2008/05/07
(水)

≪5≫NGN関連サービスが展示される「ブロードバンド・ユビキタス・タウン」

各社のNGN関連サービスが展示されている「ブロードバンド・ユビキタス・タウン」では、さまざまなNGNサービスを実際に触って確かめることができる。

その中からいくつかピックアップする。

(1)NGNを利用したSaaSサービス

『Morning@office』エリアの「VANADIS(※) SaaS Platform」(NTTデータ、図4、図5)は、NGNを利用したSaaS(※)サービスだ。回線IDによる認証システムで、自宅でも安全に企業のデータを扱うことができる。NTTデータによると、回線認証の機能がNTTから公開され次第、「VANADIS SaaS Platform」のサービスを開始できるという。

VANADIS:Vertical Advanced Network Architecture for Dynamic Enterprise IT Strategy、バナディス。企業などが個別に構築している社内IPネットワーク、IP電話、電子メール、ポータル、電子決裁(電子稟議)などのシステムを統合管理するNTTデータのITインフラ構築サービス
SaaS:software as a service、サース。ソフトウェアをパッケージではなく、ユーザー(企業)が必要な機能だけをサービスとして、ネットワークを介して利用できるようにした仕組み

図4 「VANADIS SaaS Platform」の画面。ソフトウェアの利用許可は、役職や利用エリアなど、細かく設定できる
(クリックで拡大)
図5 「VANADIS SaaS Platform」を回線情報を登録した自宅から利用している様子(クリックで拡大)

(2)家庭用テレビを利用したテレビ会議システム

同じく『Morning@office』エリアのHDビジュアルコミュニケーションシステム「IPELA」(ソニー、図6)は、家庭のリビング用テレビを利用したテレビ会議システムだ。HD(※)品質の映像や静止画を共有しながら、臨場感の高いテレビ会議を実現できる。

HD:High Definition、高精細・高画質

図6 「IPELA」のデモ風景。テレビ上部のカメラとテーブル上のマイクで映像と音声を別な場所にいる相手に送る
(クリックで拡大)

『Morning@office』エリアの展示のリストを表1にまとめた。

表1 『Morning@office』エリアの展示リスト(クリックで拡大)

(3)携帯電話を利用してホームカメラをコントロール

『Afternoon@cafe』エリアのひかりホームカメラ「クルリモ」(NTT東日本、図7)は、携帯電話を使ってホームカメラをコントロールすることのできるシステム。外出先から部屋の中を確認したりペットの様子を見ることができる。

図7 ひかりホームカメラ「クルリモ」。右の白い球体がカメラ。携帯電話でカメラの写す方向を動かし、
映像を携帯電話の画面で確認できる(クリックで拡大)

『Afternoon@cafe』エリアの展示のリストを表2にまとめた。

表2 『Afternoon@cafe』エリアの展示リスト(クリックで拡大)

(4)IPv6マルチキャストによる「緊急地震速報」配信システム

『Evening@home』エリアの「緊急地震速報配信サービス」(NTTコミュニケーションズ)は、IPv6マルチキャストを利用した緊急地震速報の配信システム(図8)。特殊端末だが電話も可能だ。すでに実用化されている。

図8 IPv6マルチキャストによる「緊急地震速報配信サービス」(クリックで拡大)

『Evening@home』エリアの展示のリストを表3にまとめた。

表3 『Evening@home』エリアの展示リスト(クリックで拡大)

(5)等身大の未来型コミュニケーション

『Future@room』エリアは、未来の技術が展示されている。未来の電話「t-Room」(参考展示、図9)は、等身大の大型モニタ(65インチ)が10角形の部屋の出入り口を除いた8面に設置されている。モニタの上部にはカメラがあり、同じ機器が設置された部屋をつないで、相手と新しいタイプのコミュニケーションを楽しむことができる。表示されている画面の同じ位置を示したり、数秒前の画面を再生しながらやりとりすることもできる。写真は、ゴルフのフォームを時間差で表示し、別の部屋にいる相手がチェックしてくれる様子だ。

図9 「t-Room」のデモ風景(クリックで拡大)

『Future@room』エリアの展示のリストを表4にまとめた。

表4 『Future@room』エリアの展示リスト(クリックで拡大)

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NGN(次世代ネットワーク)標準の決定版! =

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ページ数:336P
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〔本書の特徴〕
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〔本書の特徴〕
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