特集

Q&Aで学ぶデジタル放送(5):デジタル放送の「MPEG-2 TS」とは?

亀山 渉

2008年3月21日 0:00

このコーナーでは、最新のICT(情報通信技術)のキーワードをQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
2003年12月から開始された地上デジタル放送により、BSデジタル放送から、CSデジタル、CS110°デジタル放送、地上デジタル放送に至るまで、さまざまなデジタル放送が利用でき、多彩な放送を受信できるようになりました。ここでは、これらのデジタル放送と、今までのアナログ放送やインターネットとの相違点から、デジタル放送時代の法制度までを解説していきます。
今回は、デジタル放送で使うプロトコル「MPEG-2 TS」について説明します。

Q&Aで学ぶ基礎技術:デジタル放送編(5)
Q5

Q5:デジタル放送の「MPEG-2 TS」とは?

デジタル放送で使っているプロトコル(通信規約)である「MPEG-2 TS」とは何ですか?
A5

≪1≫デジタル放送で使うプロトコル「MPEG-2 TS」

[1]MPEGのプロトコルとは?

プロトコルとは、通常、伝送(通信)規約と訳されており、送信者と受信者が合意した情報の伝送方法(データのやり取りの仕方)のことを指す用語です。放送・通信・コンピュータの技術分野では、そのままカタカナ(プロトコル)で用語として使用されています。

前述したMPEG標準化団体は、デジタル放送のプロトコルにも積極的に取り組み、一連の標準規格を定めました。

現在、各国のデジタル放送規格で使用されているプロトコルは、MPEG-2 TS(Transport Stream、トランスポート・ストリーム)と呼ばれるもの(図1-6)で、

(1)動画像と音声の同期の実現(動画像に合わせて言葉や音楽を流すこと)
(2)複数の番組の伝送
(3)動画像と音声以外のマルチメディア情報の伝送

を可能としています(詳細は『デジタル放送教科書』第3章、第4章参照)。

すなわち、このMPEG-2 TSは、音声データ、映像データやテキスト・データで構成されている複数のプログラム(テレビ番組)を、1つのデータ列(ストリーム)にする仕組みをもったプロトコル(伝送規約)です。


図1-6 デジタル放送規格で使用されているプロトコル「MPEG-2 TS」の仕組み(クリックで拡大)

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る
インプレスSmartGridニューズレター

定期購読は終了いたしました