国際的にスマートシティ・ビジネスが活況を呈している。亜細亜大学 都市創造学部 都市創造学科 教授 岡村 久和氏は、「スマートシティはビジネスでなければならない」という哲学を信念として、国際的に活躍されている。
このほど岡村氏は、「世界で最もスマートシティに影響力のある50名」(注1)に選ばれ、2017年2月18日、インドのムンバイ市でその受賞記念講演が行われた。
そこで、岡村氏に、スマートシティ・ビジネスの国際的な動向とともに、ビジネスにおけるアンマッチの問題、開発途上国や新興国、先進国のスマートシティへのアプローチの違いやスマートシティ化と犯罪との関係、さらに日本のスマートシティ・ビジネスと海外での展開などについてお聞きした。
ビジネスにしなければ、持続できない
─編集部:このたびは、「世界で最もスマートシティに影響力のある50名」(50 Most Impactful Smartcities Leaders)の受賞(写真1)、おめでとうございます。
写真1 「世界で最もスマートシティに影響力のある50名」 受賞の様子(左)と賞状(右)
出所 World CSR day提供(左)、および編集部撮影(右)

岡村:ありがとうございます。日本の方々には馴染みがない賞と思いますので簡単に紹介しますと、今回の受賞は、15年前の2012年2月18日にインドのムンバイ市に設立された、「World CSR Day」注1という機関からのものです。この機関の代表(創設者)はバーティア博士(Dr. R. L. Bhatia)で、世界のスマートシティに貢献した人などに与えられる賞です。
私は、日本アイ・ビー・エム時代から世界のスマートシティ(IBMでは「スマーターシティ」と命名)に関するプロジェクトを推進してきたことなどが評価されて表彰されたのだと思います。
─編集部:今回の「World CSR Day」コンファレンスの受賞式(場所:インドのムンバイ市)で行われた岡村先生の「Smartcity, the business, needs purpose」(スマートシティはビジネスでなければならない)というタイトルの講演の内容をお聞ききしたいのですが。
岡村:はい。私は、以前勤務していた日本IBMで、川崎市における環境ビジネスを展開しているときに、当時、川崎市の国際環境施策参与でもあった、末吉 竹二郎氏注2が提唱する「環境問題はビジネスでなければ持続的に解決できない」という哲学に学びました。これをスマートシティに適用して、「スマートシティはビジネスでなければならない。それが唯一社会を持続的に支援できる」という信念をもってビジネスを展開するようになりました。
すなわち、スマートシティのビジネスを実現するには、(当初は)政府などの支援を受けて社会貢献できるとしても、それだけでは弱く、息切れしてしまい成功しないということです。ビジネスにしなければ、持続できないということなのです。
▼ 注1
http://www.worldcsrday.com/
http://www.worldcsrcongress.com/smartcities/index.html
CSR:Corporate Social Responsibility、人や企業の社会的責任。人や企業が事業活動を通じて、自主的に社会に貢献する責任のこと。
▼ 注2
末吉 竹二郎氏、一般社団法人 グリーンファイナンス推進機構 代表理事〔国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問〕、http://greenfinance.jp/
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